東洋医学の理論に基づいた、全身的な治療が中心になります。
『最も安全で、治療効果の高い治療法』です。
診察・治療手順
1 症状をお伺いします。
2 「いつから」「どこが」「どのように悪いのか」をお聞きします。【問診(もんしん)】
3 鍼・灸の範囲内で治療手段の希望をお聞きします。
4 話し方・顔つき・皮膚の色等の全体の状態を診ます。【望診(ぼうしん)】
5 脈の打ち方を診ます。【脈診(みゃくしん)】
6 皮膚の状態・筋肉の状態・圧痛点・硬結等を触って診ます。【切診(せっしん)】
7 お腹を診ます。【腹診(ふくしん)】
8 全身状態を改善する為の治療をします。「気」の流れを整えます。【本治法(ほんちほう)】
9 気になる症状に対しての処置をします。【標治法(ひょうちほう)】
治療時間
各々の患者さんの状態・症状によってかなりの相違が出ます。
軽く短時間の治療が最適である場合から、強い長時間の治療が最適である場合がある為です。
※鍼・ 灸の平均的な治療時間は約50分(初診60分)です。
治療期間
使用する用具とその施術
※全て使い捨て(ディスポーザブル)の鍼を使用しています。
■太さ0.16mm、長さ1寸3分(約3.5cm)
基本的にこちらのはりを使用します。ちょうど髪の硬い方の髪の毛程の太さです。
「気」の調整を行う時は0.5mm~3mm程度刺して置きます。痛みはほとんど感じません。【置鍼(ちしん)】といいます。
■太さ0.22mm、長さ2寸(約5.5cm)
一番大きいはりになります。大きいですが注射針中心の穴よりも細いはりです。
主に硬くなった筋肉に直接打ち込んだり【灸頭鍼(きゅうとうしん)】を行う時に使用します。
【鍼管(しんかん)】を使って打ち込みますので痛くありません。
(灸頭鍼は頭にはりを打ち込んで灸をする施術です。輻射熱により「とても気持ちが良い」と評判です。)
■太さ0.14mm、長さ3mm
【皮内鍼(ひないしん)】の際、非常に弱い刺激を長時間持続させる為、皮膚に水平に刺し保定しておくはりです。
■小児はり
小児用には専用のはりを皮膚に接触させる程度に当てる刺さないはりを使用します。
【ローラー鍼(ローラーしん)】【集毛鍼(しゅうもうしん)】等のはりがあります。
つまよう枝を30本ほど束ねて皮膚に当ててみると、その感じが非常に近いです。※承諾を頂かない限り、火傷になるような「灸」は絶対にいたしません。
■簡易灸
一般向けに作られた、家庭でも安心して使えるような灸です。
ほとんどこのお灸を使用しています。「熱い」と感じる場合は途中で取り除きます。
不安がある方には、下に1枚シートを敷いて行います。ほんのり暖かい位のレベルに緩和されます。
■もぐさ
昔から使われている灸です。
小さなものは糸状・米粒の半分の大きさにして据えます。
熱さを感じた場合はすぐに取り除き、火傷はしないようにいたします。
希望によりイメージ通りの熱いお灸も可能です。■鍼管 はりを打つ時に、使うはりを通す管。
■鍼皿 はりを一時的に置いておく皿。
■消毒綿 はりを打つ前に皮膚を消毒する為のもの。
■汚物入れ ゴミ箱です。使用後の消毒綿を捨てます。
■線香 灸に点火する時に使います。専用の太い線香です。
■ライター 線香に点火します。
■灰皿 灸の燃えカスを捨てる為に置いています。
■ばんそうこう 皮内鍼を留めておく為のものです。
■ピンセット 皮内鍼を打つ時に使用します。
■テーピングテープ 筋肉の補強が必要な場合に使います。
■はさみ テープ・ばんそうこうを切る際に使います。
■血圧計 必要な場合、血圧を測る為に置いています。
■手指消毒液 治療者の手と指を消毒する為の噴霧式のものです。
衣服の脱着

安全で最良の治療をする際、下着程度になって頂くのが最良です。
しかしよほど慣れないと(特に女性の方の場合)なかなか出来ません。
必要最低限に衣服まくり上げて頂き、必要のない処はタオルを掛けて治療します。
部位によりどうしても出来ない場合は、お申し頂ければやりません。
(ただし治療効果が最大限に発揮されない事が条件になります)
肘・膝などの局所症状を治療する場合においても、全身状態を整える目的での治療もありますので腹部または背部の「ツボ」に治療点を選ぶ場合があります。
また危険防止の為 腕時計・めがね・アクセサリー類は外して頂きます。
ポケットの中の物も出して置いて頂きます。
消毒
直接、皮膚に触れるものは、全て「オートクレーブ」という高温高圧をかけて消毒する滅菌機で消毒(滅菌)しています。この方法は、WHO(世界保健機構)で定める完全な消毒(滅菌)で、良い菌も悪い菌も一括してすべての菌を死滅させる方法です。消毒と区別して「滅菌法」と言います。病・医院等の医療機関で使用されているものと同じ方法です。
この方法による細菌類の生き残っている確率は0%です。一般に心配される「B型肝炎」「エイズ」等の感染の危険性も0%と言う事になります。
また術前の皮膚の消毒は「ヒビテン」という皮膚刺激が少なく、消毒力の強いものを使用しています。「ヒビテン」の消毒力は「アルコール」と同等またはそれ以上と言われています。
施術の直前にも術者の手指消毒に「速乾性アルコール」で噴霧式の消毒をしています。
治療室内は毎朝の掃除と定期的に害虫の駆除剤を使用し、アルコール系室内消毒液をスプレーしています。
副作用について
基本的に副作用の心配は全くありません。
治療効果の現われとしてだるさや脱力感、眠気に襲われる事があります。
これは好転反応といって、回復力が高まった為のもので何の心配もありません。
体を休めていれば、自然に過ぎ去ります。好転反応におどろき、医療機関で注射を受けて「ああ!楽になった・・・」とおっしゃる方もいますが、休みたがっている体を無理やり起こす事になるので、成り行きに任せて休めてしまったほうが効果は高いと思われます。
他には薬剤などで無理やり押さえ込んでしまっている症状が、一時的に表面化する為に「悪化した」と間違われる事も時々あります。
たとえば「ぎっくり腰」からずっと腰痛を引きずって慢性化しているいる場合など、元にもどる為、一時的に急性の時と同じような状態になる事がありますが、その治療を続けていれば、慢性化していた症状も無くなります。
このような色々な反応が出る場合は「治療の良く効く体質」だと思ってください。
回復パターン

1.時間の経過とともに、順調に回復してゆくパターン。急性期にはよくありますが、慢性症の時はあまり無いパターンです。

2.良くなったり悪くなったりを繰り返し、悪くなっても1番悪かった時ほどにはならないパターン。安心して診ていられるケースです。

3.しばらくの間、効果が無い様に思われ、効果が出始めると順調に回復するパターンです。慢性症に多くみられますが、頻繁ではありません。

4.順調に快方に向かい、少し良くなってから一時停滞するパターンです。慢性症の場合の一般的な傾向だと思います。

5.治療直後に症状が少し重くなるケース。慢性症では比較的多くみられますが、治療間隔と刺激量を調節し快方に向かうパターンです。

6.直後から効果が現われ、一時的に来院時よりも重くなるパターンです。比較適多くみられ、治療の中断が最も多いパターンです。
7.1~6が組み合わされたパターンです。人体は複雑怪奇に出来ておりますので、こちらの組み合わせパターンが最も多いかも知れません。
治療後注意事項
以下の内容で初診の時に説明書をお渡ししています。
治療後の摂生及び注意事項になります。
治療効果を最大限に引き出すために、必ず1度読んでください。
鍼・灸・マッサージ治療は副作用や習慣性の無い治療である事が、最大の特徴とされていますので「くせになる」様な事は絶対にありません。
経絡・ツボを駆使し、本来個々に備わっている自己の治癒力(自然治癒力)を回復・増強し、根本から治す事が目的となります。
従って、基本的には時間(日数)の要する治療である事をご了承ください。